病との共存を考える

病を恐れ、どれだけ予防に励んでも人はいずれ必ず病みます。
正確には知らずに前から病んでいたものがなにかのきっかけで暴れだし症状が出てくるのですが、病気になるとそれが治っても体は以前と同じではいられません。
仮に健康に見える人であっても病んでいます。東洋医学では完全な健康体というものはありません。すると両者の差は何らかの症状が出ているか出ていないかです。 これが③でお伝えしたものです。

ならば、予防とは発病させないこと。症状を出さないようにすること。とも言えます。先手先手をうち、発症から遠ざかる。それが予防です。

他の視点から見れば、病は一生治らないとも考えられます。少なくとも生物は老いという不治の病に侵されていて、その治療法は今のところ見つかっていません。 その病を治しても治しても終りがありません。

この考え方は病との共存が必要であることを示唆するものです。 病は完治すことが難しい。ならば発病させずに一生を終えればいいのです。

発病して間もないものは比較的治しやすいと言えます。発病は体が何らかの形で偏っていると考えます。それは骨格などの見た目ではなく機能的なもの。西洋医学でいうところの自律神経かもしれません。ホルモンバランスかもしれません。リンパ液や血流の悪さかもしれません。これらを東洋医学は一般に「気」と呼ばれる体の働きに異常があると考えて治療を行います。 東洋医学はバランスの医学とも言われるように、気という働きの過不足を治します。それが治療であり、予防であり、養生になります。当然、できるだけ早い段階で治療にかかるほうが治しやすいものです。

症状がない時の慢性病は非常に治しにくいものです。しかし、体に潜んでいる病を治すにはこのタイミングしかありません。この病そのものを治すには長い目で診る必要があります。現実には病を持つ体をこまめに調整することにより発病を抑えて徐々に体から病を追い出していくのです。 

⑤へつづく

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