病を治そうとするとどうなる?

大凡、発病してある病は目標がはっきりしているぶん治療しやすいと言えます。では、本来治りにくい持病を急速に治すことを望んだとしましょう。例えば毎年決まった季節に起こる鬱陶しい症状。咳や蓄膿であったり、耳鳴りや頭痛などでも体質と呼ばれるものにまで原因が及んでいるもの。癌やアレルギーなど。このようなものを急速に治そうとすると現代医学でも体に必ず無理がかかります。

慢性病は基本的にすぐには治りません。短期間で治そうとすると強い副作用を覚悟する必要があります。それでも治るとは限りません。 こういった治療は医療倫理からも外れ、患者のQOLを低下させる可能性が高く、治療者が提案しても患者自身が拒否することもあります。 

困る症状を解決しつつ、体に無理をかけず長い時間をかけて治す。それが一生かかろうとも生活に困らないならいいじゃないか?と考えると④の話のようになります。

貴方が鍼灸院に来る目的は?

さて、ここまでのお話にお付き合いしていただいた貴方はどのような生き方を望むのでしょうか? もし、大きな症状をだすことなく長生きしたいと思うのであれば、その方法は日々の予防しかありません。

ただ症状が出てなければよいのでしょうか? 

いま出ている症状を抑えるだけでよいのでしょうか?

体質やそれに絡む持病を治していきたいのでしょうか?

それによって治療方針が変わることもあります。

 

発病させず楽に生きようとするのか?

刹那的に苦しさを取ればいいのか?

病に悩みながら生きるのか。 

どれが正解だとか良いということはありません。患者が置かれている状況によっても変わりますし、これは価値観の問題です。ただ、なんにしても本当の意味での治癒が簡単に訪れないのは確かです。

病とは治りにくいものなのですから。

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