性衝動はヒトを含めた生物の本能の一つです。これがないとその種は間違いなく絶滅します。

当たり前ですがヒトの場合、現代の文明社会において性的衝動をむやみに開放していては社会生活を営めません。また、宗教的、道徳的な観念からも性欲は罪や戒めの類に分類されていて、野生を閉じ込め理性を重んじる事が人間的だと小さな頃より教えているために抑圧している人が多いものです。 これらが過度な場合は性欲が減退したり、実際に生殖能力が低下したり、犯罪に走ったりと様々な結果を招きます。

この性的衝動が最も強いのが第二次性徴期、思春期の頃と言われます。老化とともにその衝動は衰えていきますが、生涯現役の人も居られるように性に対する執着や生殖機能は個人差が大きくあります。

子供が欲しい

そう思った時に男女共に性機能が衰えていたというのは現代日本の「あるある」でしょう。 子供は神様からの授かりもので、原因不明や病気による不妊もありますが、本当の意味で如何ともし難いのは老化です。 自然妊娠をするにしろ人工授精をするにしろ、精子、卵子の質。つまりは「若さ」が重要だからです。

しかし、今の日本は結婚に至る年齢が非常に高く、生涯未婚というのも珍しくありません。 少年期は勉学に追われ、青年期は仕事に追われる中で独身を楽しみ、いざ結婚しようとすると金銭的な問題に阻まれたりもする。

かと思うと、中高生はもとより大学生での妊娠も世間は白い目で見ることが多く、もっとも性衝動や生殖能力の高い時に子作りが制限されている社会となっています。 もちろん、経済的、人間的に自立していない状態で子作りするなどは世間体や倫理的にもよろしくないですし、実際にその年令で子供が出来てしまうと苦労も多いでしょう。

しかし、ざっと考えた時に

恋人との間に子供が出来てしまった。というケースはそれはそれで良いとして、パートナーもいない場合を考えた時、 仮に22歳で大学を卒業し、その後の生活でパートナーを見つけ、結婚し、子供をつくる。 この過程を出来るだけ早く行わないといけません。 20代、30代と生殖能力が一定レベル保たれるとはいえ、思春期の頃と比べれば明らかに老化しています。 子供を授かるには必要十分な能力を持つ方が多いですが、これも個人差があり、早いほうが確率的にも良いに決まっています。

就職して自由になるお金が増えた時、すぐに結婚し子作りしようと思う人はよっぽど恵まれ、シッカリとした人生計画のある人でしょう。 普通は「独身を満喫してから」とか「パートナーと二人だけの生活を楽しんでから」「もう少し金銭的な余裕ができてから」などと考えるはずです。 

また、子供の頃からの性に対する教育から得た偏見。罪悪感、照れ、、自己愛、他人への興味のなさ…。こういったこれまでの発達の過程で得た性質が邪魔になることもあります。これらを社会に出てから自分自身で更生し精神的にも成長する必要があるでしょう。 そんな事情を考えてみれば適齢期と言える年齢などあっという間に過ぎます。 そして自分自身が成長し、パートナーと共に子供を望んだ時、かなり厳しい状況に陥っているということが多いのが今の日本では無いでしょうか?  これって今の日本が抱える社会、教育の構造的欠陥では無いかと思います。 もっとヒトの性的衝動に対して理解をして、それを受け入れる大らかな社会がないと人口減少問題は解決せず、不妊に悩む人が増すばかりだと思うのですが…。

子供が欲しい。「不妊治療」へ続く…

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