うつ病は精神疾患なのですが、感染症もその一因となっています。

うつ病に関連する因子には、C型肝炎、インフルエンザ、水痘帯状疱疹、ヘルペス等があると言われていてアメリカのブリガムヤング大学では、ウイルス曝露とうつ病との関連を評価する検討を行ったようです。 Psychiatry research誌オンライン版2017年12月20日号掲載。
 

主な結果は以下のとおり。

鬱リスク上昇
単純ヘルペスウイルス2型 サイトメガロウイルス
鬱リスクと無関係
A型肝炎、B型肝炎、単純ヘルペスウイルス1型では認められなかった。
 

単純ヘルペスウイルス2型とは

主に下半身に症状を起こすタイプのヘルペスウイルス。性器や臀部に発疹やただれなどを起こします。
ヘルペスウイルスは感染力が強く一度感染するとなかなか駆除できません。症状が収まっても神経節内部に潜み再発を繰り返します。
主に接触、飛沫感染すると言われています。2型の場合は主に性交渉が問題となります。 皮膚や粘膜に傷などがあると感染する率が高まるため、アトピー性皮膚炎などの持病を持つ方は感染しやすいようです。
 

サイトメガロウイルス

ヒトヘルペスウイルスの一種(亜型)でヒトにのみ感染し、人類の殆どは子供の頃に飛沫、接触、母子感染などにより不顕性感染していると言われます。 そのため問題なのは感染することではなく、免疫力の低下によりサイトメガロウイルス感染症として発症することです。 但し、鬱との関連については発症そのものよりもサイトメガロウイルス抗体レベルが高いほどリスクが高まるとされています。 発症すると発熱し肺、肝、脾、リンパ節、脳など体中の様々な場所で炎症がおこります。
 

治療薬にSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬)が使われたりするように、うつ病は脳の中の異常とされていることが多いですが、その原因は特定されていません。 この研究は感染症による体の変化が鬱に与える影響を考えるのにとても意義があると思えます。
体内環境が脳に影響を与えるのは間違いのないことなので、体から治療して鬱を治していく療法「鍼灸」の鬱に対する効果もいずれ科学的に解明されるかもしれません。
 

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