痛みというものは特別な病気でない限り体験したことがない人は絶対にいません。 痛みがないと体が障害を受けていることに気付かないため大変なことになってしまいます。 痛みとは動物の持つ生命維持に関わる大切な感覚です。痛いからそれを庇い、痛くないようにじっとしていて、痛みを起こさないように危険から逃げるのです。

この痛みというものは様々な種類があり、場所や病気によって感じ方が違っていたりもしますが、治療の上で最も厄介なのでは夜間痛ではないでしょうか。 夜寝ている時に痛むことで眠りが妨げられて熟睡ができません。 痛みが怪我によるものだろうが病気によるものだろうが回復に最も必要なのは休息と睡眠であり、それが上手くいかないのは治療上、非常によろしくありません。 つまり、痛くて眠れないと治らないのです。

今回掲載されている記事はその逆、「眠れないと痛い」というもの。眠りの質が悪いと昼間起きている時に感じる痛みも悪化すると言う記事です。 これは臨床上とっても大事ですし、実際に患者さんと話をしていてもたまに出てくるものです。 記事に出てくる解決策としてはカフェインなどの眠気を覚ますものによって痛みが緩和するとなっています。 覚醒させれば痛みを感じにくくなるんですね。 そう言えば覚醒剤を使用してる人ってどんなに体を打ちつけていても切り刻んでいても痛みを感じていないイメージが…(笑)

ただ、覚醒させると眠らなくなるのはジレンマですね。本来はきちんと寝て回復させないといけないのに眠気を覚まさせて痛みだけを抑えても対処療法もいいところ。原因は悪化の一途でしょう。 理想は昼間しっかりと覚醒していて夜間はぐっすりと寝ることです。これで初めて病の回復を考えられます。結局この研究結果は昼間ムリヤリでも起こして、夜までどんなに眠くても我慢してちゃんと熟睡してもらうという方針の確認にしかなっていないのかもしれません…。

まぁ、今後の研究に期待です(笑)