英国・イースト・アングリア大学の研究で

うつ病、泌尿器系、パーキンソン病の治療に用いられる抗コリン薬の使用が、将来的な認知症発症と強く関連していると発表されました。 もともと、抗コリン薬の服用で短期的な認知障害が起こることは知られていたので今回の発表で薬の効果(副作用)は将来的にも影響を及ぼすことが示唆された訳です。

抗コリン薬

抗コリン薬とはアセチルコリンの働きを阻害する薬のこと。 アセチルコリンが働くためにくっつく必要がある受容体にくっつけなくする薬。ムスカリン受容体とニコチン受容体の2つがあり、そのうちのムスカリン受容体に作用します。

 

アセチルコリン

アセチルコリンとは神経伝達物質の一つ。主に運動神経と副交感神経に関わっているとっても重要な物質。 アセチルコリンが働けばこれらの神経が働くので抗コリン薬は副交感神経などを働きにくくする薬です。

副交感神経が働くと人はリラックスする。

よく使われる言葉です。

リラックスと言う言葉自体はなんとも良い意味である感じがしますが、実際には良いことばかりではありません。

先ず、体から汁がでます。涙、涎、鼻水、尿、便…。 鼻炎持ちの人などには辛い症状です。

また内臓が動きます。 例えば、ご飯を食べれば胃腸が動き出します。 これは副交感神経が働き出したためです。 しかし、例えば消化器になにかの障害がある場合、活動すると痛いです。 その痛みを止めるには副交感神経を押さえて動きを止めれば痛みは収まります。

鬱はノルアドレナリンやセロトニンの働きを調節するアセチルコリンを抑制します。 意識、記憶、覚醒、睡眠リズムなどをコントロール出来なくなるのはノルアドレナリン、セロトニンとアセチルコリンのアンバランスが原因とも言われます。

パーキンソン病は脳内で減っていくドーパミンに対し相対的に多くなるアセチルコリンを抑制しようとしています。

アルツハイマーでは初期にアセチルコリンが減っていくので抗コリン薬の作用に近い現象ですね。今回の発表は「認知症」としか出ていませんが、アルツハイマー型のことかもしれません。

アセチルコリンは全身の多くの症状に関わるためこの作用を利用している薬は様々です。しかしどれも寛解、緩和させるだけで治るわけではありません。そのうち治るかもね?という薬です。 なぜ、アセチルコリンが働きすぎてしまうのか?という根本にアプローチしていない薬だからです。

不用意にアセチルコリンの働きを抑え続けると、内臓は働かず、口渇、便秘、尿閉、緑内障など体から出るべき汁がでない病になったり、交感神経優位の状態が続き、体が興奮したままになっていき、そのうち覚醒と睡眠状態のバランスがおかしくなってきて運動機能にも影響が出てきたり…。 といろいろ問題もあります。普通はこうなる前に止めますが、もともと原因となる疾患や体調をもっている人は注意が必要です。

 

 

では抗コリン薬は飲まないべきか?

一口に抗コリン薬といっても色々とあります。薬は世代を経るごとに副作用の出にくい良いものが出てきています。 全てが高リスクではないので無闇矢鱈に怖がる必要はないと思いますが、作用と副作用を天秤にかけて使い分ける事が必要になります。 今の時代、医療に掛かり抗コリン作用に限らず神経伝達物質への作用を持つ薬を完全に使わないようにするなんてほぼ無理です。 せっかくある程度確立している有効な治療法なのだから上手く利用しましょう。

とはいえ、医師、薬剤師以外でそのようなことを厳密に考える人はいないでしょう。 基本は信じてお任せです。 しかし、医師たちでも考え方にバラツキがありますから任せ切りも不安だと言うなら、このような薬を使わなければいけないような体調にならなければ良いのです。

自律神経は人の意思で動かすことのできない神経ではありますが、生活習慣次第で調整が効くのも確かです。 鬱だって、パーキンソン病だって内科の病だっていきなり罹るわけではありません。 これまでの生活や習慣で前兆があったり、罹っていたのに(罹りかけていたのに)気づかなかっただけです。

症状が出て、(または診断がついて)その瞬間から病気となる西洋医学に傾倒すると、いきなり病んだように感じますが、ほとんどの病には前兆があり、それに気づいて適切に処置すれば治ったり、進行を遅らせたりできるものも多いのです。 そのあたりは東洋医学を捨ててしまった現代西洋医学の盲点になってしまっています。 日頃から自分の体調に注意をはらい、健康管理を行っていれば薬に頼らなければいけない体調になる可能性は随分と低下します。

 

抗コリン薬に限らず、どんな薬でも飲まずに済むなら飲まないほうが良いに決まってます。 飲まないといけない状況にならないことが一番大切です。 結局、一番の自衛方法は日々の養生となります。

 

 

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