鍼灸のはりは「針」ではなく「鍼」と書くことが多いですね。 縫い針などと混同しないように書き換えているのだと思いますが、一般的には針の文字の方が認知度は高いです。

 

さて、この鍼灸のはりはどういったものかご存知でしょうか?

最近のはりは材質がステンレス。もちろん医療用のステンレスです。体に入れても害が無いようになっています。

 

直径は0.1ミリからあり髪の毛以下の太さ。

長さは数ミリから何十センチのものまでいろいろとあります。 どんなに長くても全てを刺すわけでないのであまり気にする必要はありませんが見た目的にアレですね(笑)

 

はりと聞いて一般的に連想する注射針と比べると色々と差があります。

先ずは形。 注射針は当然中に穴が空いてますが鍼灸用は空いていません。 一般的な筋肉注射針の23ゲージ針(外径0.65ミリ)の中に鍼灸のはりが何本も入るのでその細さは見た目以上です。

注射は薬液を通さないといけないので中空になっていて鍼灸用の同じ太さのはりと比べて表面積が広くなり、内部の消毒も行いにくいために感染を起こしやすいですが、鍼灸用は表面だけを消毒すればよいので感染は起こしにくいようになっています。

 

先っぽの形です。

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注射針は斜めにカットしてありますが鍼灸用は完全な円錐形です。

この形の差で肌に当てたときの感触が明らかに違います。刺すことだけを目的にすると、とにかくさきっぽを尖らせるという発想になりがちですが、最近はあまり尖らせると刺す時に痛いので形に丸みを持たせたりと色々工夫されています。

 

はりといってもれっきとした刃物ですからどちらもちゃんと研がれています。

研ぎが甘いと切れなくて痛いです。 昔は皆、手作業で研いでいましたが最近のはりは使い捨てなのでメーカーがバッチリ研いでくれています。

はりは「刺す」というイメージが強いですが無理やり差し込んでるわけではありません。ちゃんと表面を切ってからそこにできた穴に通しています。切り口が小さいので分からないのですね。

 

 

鍼灸用のはりのメーカーは幾つかありますが、それぞれの商品に特徴があったりします。見た目も少々違いますが太さや長さは規格として決まっているのでどこも同じです。

 

それなら何が違うのかというと…。

はりのコシだったり 先っぽの形だったり 表面の滑りだったり 持ち手の仕組みだったり

こういった違いで実際に使ってみるとその使用感は大きく違います。 刺されている側も敏感な人はその差を感じ取ったりしますね^^

鍼灸師は一種の職人ですから道具にはこだわりがある人もいて決まったメーカーの決まった商品しかダメって人もいます。

使い勝手には慣れもいるので私も大体、同じモノを使っています。

施術者の側の意見から言うと道具の差で治療効果の差もでるので使いやすくて良い商品にこだわりたいと思ってしまいますね^^