東洋医学だろうと現代医学だろうと治療者が「治せない。」「治したくない。」「治さない。」患者というものは存在します。
理由は病の原因が不明であるとか、難しい病であるとかそのようなものではありません。 その多くは患者に「本気で治る気がない」ものです。 このことを扁鹊という医者が簡潔に語っています。 大昔に書かれたものですが現在でもその言葉には説得力があり、当たり前の内容ばかりです。
治らない貴方。心当たりはありませんか?
扁鹊の六不治①
骄恣不论于理,一不治也。
驕恣理を論ぜざるは、一の不治なり。
驕恣(きょうし)というのは「おごりの甚だしい人」です。 このような人は自分の思い込み。ワガママ。勝手な理論や道理。などを優先し治療者の言うことを聞きません。
治すための「理」よりも自分の意志を優先するために有効な治療を続けることができませんから当然、治りは非常に悪い上に、治療に必要な信頼関係を築くことが難しく、治すためには説得したり、過度な説明を行ったりと本来必要のない労力を要します。 そうやって治療者の意図や心が伝わればまだ良い方で、無駄な徒労に終わる場合も少なくありません。
治療者の判断や知識よりも自分の思い込みに自信があり、そちらを優先させたい人ですから、そもそも医療にかからず勝手に好きな方法で治せば良いと思うのですが、自分が困ったときだけ頼りにくるものです。 そして、少しでも改善したり、自分にとって不都合な事があったりするとぱったりと来なくなります。自己流の治療を行ったり、もう大丈夫と勝手に判断したりするためですが、時間がたって悪化するとまた現れて治療を要求する…。 悪質な場合、これを繰り返すことがあります。
予約をドタキャンしたり、勝手に治療を中断したりしていては計画的な治療は不可能です。
傲る人というのは自分が道理から外れていることを自覚していませんから、「報酬を払うのだからさっさと治せ」という態度をとることもあります。 治って当たり前。 治らなかったら治療者のせい。 という理論を展開することが多く、病を治すために必要な継続した治療や養生の必要性を理解しようとしません。
例を上げればまだまだ出てきますが、難治のものや慢性病に絶対必要な「お互いの信頼関係」が築けないという意味では最悪の患者であり、このあとに出てくる六不治の内容にも関わってきます。
貴方が治らないわけ③へつづく