日本では西洋医学とのコレボレーションで効果を上げ、 中国では国家戦略で標準医療にしようとしている中国伝来医学のひとつ「漢方薬」。 

一時期は西洋医学との戦いに敗れて衰退したものの、ブームなのか、効果に裏付けられた必然なのか最近は随分と使われるようになったみたいです。

材料となる生薬の多くは有限で、大量生産には向きません。 西洋薬のように化学合成するわけにはいかないものが多いため、世界中で生薬の奪い合いが起こりつつあり、その仕入れ値が高騰していると言われます。 日本においても、製薬会社が生薬の調達に苦労して、金額的に折り合いがつかない場合は漢方薬事業から撤退ということもあるようです。

 

古代から薬というものは貴重な物で高価なものでした。 その為、お金持ちしか使うことはできず、 ビンボー人は薬が買えずに死んでしまう…。 このような事がたしかにありました。 こういった医療の格差を無くそうと長い年月に渡って努力しているのが現代主流の西洋医学です。 科学の力で安く大量に高品質の薬を合成して皆が安く使えるようにする。 特に日本においては皆保険制度のもと、誰でも一定レベルの医療を区別なく受けられるという夢のシステムが出来上がっています。  ヒポクラテス万歳。 ナイチンゲール万歳ですw

 

このままだと、いずれ庶民の口には漢方薬は回ってこなくなるのかもしれません。 

東洋医学の漢方薬が今の西洋医学に則って全ての人に分け隔てのない医療を提供するには技術革新を起こすしかありません。 つまり生薬の人口栽培。 人口養殖。 クローン。 このような技術で生薬の生産量を爆発的に増加させるのです。

もしくは生薬の全成分の解明と、その化学合成の研究です。 もしこれらが出来なければ、東洋医学はやはり選ばれた一部の「お金持ち」の医療になるしか無いでしょう。 もともと中華思想は全ての人に平等に。とか全ての人に素晴らしい薬を。などと考えるものではありませんしw

一応、伝統医療は漢方薬だけでなく我らが鍼灸もその一つです。 使い方によっては漢方薬と同じような効果を出したりするのですが薬に比べてコストパフォーマンスは段違いに良いので、いずれ伝統医療が再復興して栄えれば鍼灸が日の目を見る時代もくるのかもしれません。 ただし、日本は伝統医療の復興に力を入れてはいないようです。 他の国に遅れを取って日本の伝統医療が消えてしまわないようにして欲しいものです。

 

なお、伝統医療と呼ばれるものは、漢方薬にしろ鍼灸にしろ独自の理論にもとづいて診断、治療、判定を行うものです。 その習得には長い時間がかかりますし、その知識の伝達は非常に困難です。 ここまで衰退してしまった伝統医療が果たしてどこまで盛り返せるのか楽しみですが、もしかすると伝統医療もこれまでとは形を変えて西洋医学とともに使われていくのかもしれませんね^^

 

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