二人に一人がガンになる?

これを言い出したのはどこの誰なのでしょう? 
全国健康保険協会のホームページ に大きく見出しとして有るからには協会けんぽなのでしょうか? 今ではがん保険のセールストークとしか聞こえないこの文句にはどんな意味があるのでしょう?

ガンの最大の原因は老化です。 これは紛れもない事実です。 日本は世界一とも言われる高齢者国なのでガンを発症する人が増えるのは当然のことと言えます。

また、日本は世界有数の医療国でもあります。あらゆる最先端医療を他国と比べれば僅かな負担で受けることができ、検査に治療に暇がありません。 その結果、普通では見逃すような小さな初期ガンを見つけることもできてしまいます。 それに対し他の病気では考えられないほどの効果を持つ治療を行うこともあります。 過剰検査、過剰医療による害も叫ばれていますが、そのようなものよりもガン発症~ガン死の方がリスクが高いと考えている人が多いのでしょう。

さて、二人に一人がガンになるというフレーズには本当は「一生のうちに」という言葉が付いています。 ガンは老化するほどに発症確率が高まりますから、ガン発症確率50%となる年齢というものが有るはずです。 だって新生児の半分が既にガンなんてことはないし、20歳で半分がガンになっていたら人間はここまで繁栄できてはいないでしょう(笑) 

国立がん研究センターがん対策情報センターのデータによると、現在30歳の人で考えた時、男性は50年後の80歳で42%、女性は50年後の80歳から寿命を迎えるまでの間で46%となっています。 つまり、平均寿命がくるころにガンは約半数の人に発症するということです。 当然、これ以前の年齢ではガン発症率は半分以下です。若ければ若いほどにその確率は下がり、 40歳までにガンと診断される確率は0.5%。50歳までで2%、60歳まででも7%です。 50~60代から加速度をつけて発症率が高まりますが、それでも一桁%です。 如何に世間で二人に一人がガンになると騒いでいても若いうちにそれほどの心配は必要がないということですね…。 がん保険が商品として成り立っているカラクリもここにあります。販売会社が儲からない商品なんて売るわけがないですから~。

三人に一人がガンで死ぬ?

平均寿命では半数が寿命が尽きて死亡します。 そしてその年代の半数がガンを患っている。 その人達が死亡した時の原因は果たしてガンなのか?寿命なのか? それをハッキリと区別する術はありません。

現実的にはガンがあるからと言って直ぐに死にはしません。また、ガンがあってもガンで死ぬとは限りません。 ガンが生命維持に必要な機能を傷害したときに始めて生命の危機に陥るのです。 死亡する前段階では多くの場合、病気そのものや治療によって体力、免疫が落ちていますから、他の様々な病気も合併しています。 そのような人が死亡した時、果たして寿命なのか。ガン死なのか。または肺炎などの他の病気なのか。 その死因を分けているのは医師の見解です。 殆どの医師は研究家ではないので統計を気にして死亡診断書を作ったりしません。そしてこの場合の死因に特別な意味もありません。 ガンに罹っている患者が死を目前にした場合、周囲の人たちも、もう仕方がないと諦めていますから書類上の死因がなんであれ深く追求することも無いでしょう。 ただ、医師の立場からすれば死因はガンであるとしたほうが遺族の心象的に配慮しやすいかもしれません。 「死因は肺炎」としてしまってはモンスターに医療過誤のイチャモンをつけられかねない世の中ですから…。 うまく間を取れば「癌による合併症(肺炎)」とでもなりましょうか。 このような感じで死因が決まるのですから三人に一人はガン死すると言ってもどこまでがガン死なのかはハッキリしません。ガンを持つ人が死んだことは事実ですが三人に一人がガン死という数字は非常に曖昧だと言えます。

続く…

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