未病治(みびょうち)は「未だ病まざるを治す」のことです。

つまり、病気になっていない者を治すこと。 現代で言う予防医学です。

 

古代中国で書かれた鍼灸の聖典とされる「素問」という2000年以上前の本に載っています。

 

四氣調神大論篇第二.
 是故聖人不治已病、治未病、不治已亂、治未亂、此之謂也。
夫病已成而後藥之、亂已成而後治之、譬猶渇而穿井、鬪而鑄錐、不亦晩乎。

 

意味としては…。

 

聖人(賢い人)は病になってから治すことはせずになる前に予防する。

病になってから治療するのは闘いが起こってから解決策を探すのと同じで愚かだ。

 

と言ったところです。

 

まさに予防そのものです。素問は鍼灸の医学書ですが、2000年以上も前は天文、易、政治、宗教などごちゃまぜな所がありますから他分野の教訓書としても読める部分があります。 そうやって見ていくと…

 

実はこの内容は医者と患者に共通していて、

まだ病んでいない者を治すのは 「良い医者」 「良い患者」

もう病んだものを治すのは 「ダメな医者」 「ダメな患者」

という発想が根底にあります。

 

昔は、発病してしまうと現代では簡単な病でも命を落としたり治らなかったりが普通にありましたから予防がとっても大切だったのでしょう。

現代は科学が進歩し、病が発病した後でも治せるものが多くなりました。その為、病むまでほっとく人が大半です。しかし、その結果は限りある自分の健康寿命の浪費に繋がる訳です。 

若い人は時間も体力も大量にありますから未病治の価値に気づく人は少ないかもしれません。病んで初めて気づきますが、治るとまた忘れます。

中高年以降は体調不良を起こすことが増えて時間、体力ともに自分の限界を知りますから未病治に気づき始めます。しかし、人間は刹那的なものですから治療をしてその場が収まるとやはりまた忘れてしまうのです。

 

 結局、未病治と本当に向き合えるのは「健康の重要さ」に気づいた人だけでしょう。きっかけは本人や周りの人の大病を見たり経験したりといったのが殆どです。

健康を維持する確率を高める「未病治」

貴方にとってどれほどの意味がありますか?

 

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