このページでは一般の人にあまり馴染みがない鍼灸治療の事例のうち代表的なものを紹介いたします。その他の症例報告はコチラから御覧ください。
初めに
鍼灸は西洋医学で説明がつかない。治療法がない。病気とされないなどの各種病態にも効果が望めるものでありますが魔法ではありません。どんなものも一度で治ったり、なんでも目に見えてどんどん良くなるという幻想をお持ちの方は今すぐ捨ててください。
西洋医学であっても同じですが、往々にして「発症から時間が短いもの」「症状が強いもの」「原因が単純なもの」等は少数回の治療で改善する可能性が高いです。
しかし、「発症してから長いもの」「症状が弱いもの」「原因が複数あったり別にあるもの」等は治療が長引く傾向にあります。
東洋医学も科学ですから、病気になること。症状が長引くことには理由があります。その理由を無視して治る道理はありません。
便秘
便秘にはハッキリとした定義はなく、概ね3日以上排便がない場合、残便感がある場合などとされています。鍼灸治療の場合はその性質上、殆ど慢性的なものが治療対象です。
器質性便秘 と 機能性便秘 に大別され、所謂便秘治療とは機能性のものです。腸の機能(動きや働き)がおかしいものであり、便秘で病院にかかった時に出てくる薬も機能性のものを対象にしています。
器質性とは腸にポリープや炎症など目で見える変化が起こっているものです。 当然、これらの原因を取らなければ症状としての便秘は改善しないため、分類上は便秘の治療ではなくポリープの治療や炎症といった原因疾患の治療になります。
原因がどちらであっても便が出ないことによる害は数え切れずあり、様々な病気や症状を起こします。また、ご自身が便秘を自覚している場合はかなり重い便秘であることが常で、服薬でその場限りの治療をしている人がほとんどでしょう。
病院では緩下薬などの薬と生活の指導くらいしか行われないですが、薬は一時しのぎでしかなく飲んだ時しか出なくなってしまう事もしばしば起こります。鍼灸では排便させながら便秘になる体そのものを治療していきます。
原因、程度によって効果が安定するまでに差がありますが、一度調子が良くなると暫く排便が続くことが多く、薬のようにその時限りの効果というわけではありません。
便通が良くなると体調の変化を大きく感じることが多いものです。そのため他の疾患とも兼ね合いがある重要なものです。