鍼灸治療の得意とするもの
原因不明とされる病の一部は難病指定されてはいますが実際にはそれ以外にも病気はとても多くあり、その殆どは対処療法以外の治療法がないのが実情です。
不定愁訴なども含め、例えば頭痛。例えば腹痛。例えば湿疹。例えば不妊。例えば鬱様症状。日常的に見かける疾患だけでも例を上げればキリがありません。仮に原因不明と告げられなくても基本的に「ストレス」「老化」「自律神経」「生活習慣」が原因と病院等で言われた場合は原因不明とほぼ同義です。
西洋医学は画像や検査値が変化を起こすものについては強みがありますが、これらに現れれない病態に対してはその力を十分に発揮できません。健康保険の兼ね合いから必ず病名は付くものの治療法は対処療法を行い経過を観察することになります。
原因が不明でも症状が軽い場合はさほど問題にはなりません。しかし、日常生活に支障をきたすようなものであったり、長く患い他の疾患を併発したり、病院を何件も掛け持ちして薬の量が増えてきたりすると問題が大きくなります。
鍼灸はこういったものに大きな効果が期待できます。それは病院で原因不明、治療効果が薄いということは器質的疾患ではなく機能に原因が有る可能性が高いからです。漢方用語だとそれを「気」などと呼びますが、生体の機能変化を問題にした場合では鍼灸治療のほうが効果が高いと言えます。
現代日本社会の常識から考えれば体調不良時に向かう第一選択肢は病院であるというのは正しいことと思います。しかし、それが全てでは有りません。医学は日進月歩ではありますがそれ故に未完成です。鍼灸がお役に立てる疾患はいつの時代も存在しています。