症例報告59 真理は瀕死の人の唇からもれる(マシュー・アーノルド)

このブログの症例報告では私がこれまでに診てきた患者さんの症例について色々と書き連ねて行きたいと思います。 もちろん、本人の特定は出来ないような内容でお送りしますので抽象的になる部分もあると思いますが、同じような症状にお悩みの方の一助になれば嬉しく思います。

長年、原因不明の痛みで苦しんでいた方と出会い、治療することになりました。
治療を初めて3ヶ月頃、一つの疾患に行き着きましたが、それでは主訴の痛みを説明できません。そして4ヶ月目にその方は亡くなられました。

その後、死に至る病と病状から痛みの原因を逆算すれば高確率でこれだ!と言うものを見つけました。
多くの医師や私を含めた治療者が見落としたその病はごく聞き慣れたもので普通なら診断がつくものなのですが今回のケースでは規定症候からは外れた稀なものでした。

鍼灸には現代医学の網から漏れた人が来ることが多く、今回のように人の末期に関わるケースもあります。このような場合、家族よりも直近の患者の言葉を聴く機会が多いのが鍼灸師です。後悔や恐れ。家族への謝罪や愛。多くの本心を話してもらえるほどの信頼
を受けても尚、救うことができないことへの憤りは大変なものです。 この記事は亡くなってから2週間近く経った頃のものですが、その患者は毎晩私の夢に出てきます。 怒っているのか。苦しんでいるのか。泣いているのか。それとも笑っているのかは判りませ
んが、それらの想いを全て受けて今後に繋げるしかないと思っています。

医師でもない者が何を偉そうに。と言うお叱りもあるかもしれませんが、資格の有無に関係なく、全ての人がこういった人の心に触れれば助かる命、救われる人があり、下らない争いも減るのではないでしょうか? 死が日常から遠ざかっている現代日本においては「勉強して知っているだけでは判らないこと」は大変な経験となります。

亡くなられた方への感謝と謝罪を込めて、今回の学びを今後に対する戒めとして使おうと思っています。

ご冥福をお祈り致します。

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