このブログの症例報告では私がこれまでに診てきた患者さんの症例について色々と書き連ねて行きたいと思います。 もちろんプライバシー・ポリシーを優先し、本人の特定は出来ないような内容でお送りしますので抽象的になる部分もあると思いますが、同じような症状にお悩みの方の一助になれば嬉しく思います。
60代 女性
長年ひどい花粉症に悩まされてきた方で毎年病院に罹っていましたが、どうにも治らないということで鍼灸治療に望みを託された方です。 約3年前に初めてお会いして、治療を続けて居られますが、毎年、症状が軽くなっているとの経過を確認していました。 現在では月に2回ほどの治療を継続されています。 この方は春~初夏にしか強い症状がでないのですが、6月にお会いした時に話を聞くと今年は全く気にならなかったそうです。
花粉症などのアレルギーを治すには症状が起きる前に治療を始める必要があります。 それも直前では駄目で、何ヶ月も前からです。満足の行く結果を確認するためには時には何年もかかる場合がありますが、アレルギー症状を持っている方はその他の体調不良も必ず持ち合わせているので、治療によって先ずは日々の体調が良くなることから実感できるでしょう。
多くの人は「症状を抑えていけばいずれ治る」「今だけ乗り切ればいいや」などと諦め気味にお考えになるようですが、症状をいくら抑えても対症療法にしかずぎず、治すのは不可能です。 強い症状が出ている時期に思い立ったように治療をしても効果は一時的で治りはしません。 しかし、先ずは症状を収め、時間をかけて体を変えていけば次第にアレルギーは軽減していきます。
繰り返しますが、いきなりアレルギーの原因そのものを治療することなどできません。 発症時は症状を止めることが最優先される目的となるために、症状がない時期でないと「体質から」アレルギーを治すことができないのです。 花粉症を始めとしたアレルギーは計画的に治療しないと治らない病気の代表だといえます。
症例報告53 (花粉症)
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