ドクターショッピングを否定はしませんが、保険料が無駄にかかるという社会問題以外にもデメリットがあります。 今回はそれをお話しましょう。

まず、健康保険を使って治療を行う場合、基本的にどの医者の見立ても同じであると前回書きました。 これは、病気ごとに模範となる症状や治療法が確立していないと保険を使うことが原則認められないからです。 これは則ち現代医学である一定ラインまで解っていない病は保険を使えないということであり、例えどこにどれだけ行っても「保険をつかっている限りどこに行っても基本的に同じ治療しかされずに無駄が多い」というデメリットとなります。 しかし、逆に考えればこれは「どこに行っても同じ治療が受けられる」というメリットでもあります。

基本的に健康保険システムは後者のメリットを活かすために作られているものです。 難病などを患ってしまった人の人権を守るために保険が適応されるなどの特殊な例を除き、未だ解明されず治療法も確立していない病と方法に対しては保険が使えなくて当たり前だと考えてください。 

 

自由診療とは?

自由診療とは健康保険を使わずに患者がかかった医療費を全て支払うものです。 国が保険使用を認めていない薬や手法を行うことができるので医者も患者も最低限のルールさえ守れば自由な医療行為が可能です。 一般の人がすぐに思いつくのが、未承認のがん治療ではないでしょうか。 他にも臓器移植など保険未承認どころか法によって規制されているものもあったりして海外に手術を受けに行く人もいます。 自由診療では実験段階や現代科学的に効果のはっきりしないものも多く、ある意味で大きな賭けになることが殆どです。 しかし、お金さえあれば最先端の医療を好きなだけ試すことができるため保険適応の治療法で効果がなかった人が新たな希望を持つことができます。

メリットは上記の通り、「自分が納得行く治療を納得行くまで行うことができる。」「新たな希望を持つことができる。」

デメリットは、「広く効果が認められているものではなく未知の害がある。」「治療にかかるお金を全て実費で支払う必要がある。」

と言ったところでしょうか。

 

※ここで出てくる医者とは医師限定ではありません。西洋、東洋、手技などを問わず医に関わる全ての人達です。

 

つづく…