東洋医学だろうと現代医学だろうと治療者が「治せない。」「治したくない。」「治さない。」患者というものは存在します。
理由は病の原因が不明であるとか、難しい病であるとかそのようなものではありません。 その多くは患者に「本気で治る気がない」ものです。 このことを扁鹊という医者が簡潔に語っています。 大昔に書かれたものですが現在でもその言葉には説得力があり、当たり前の内容ばかりです。
 
治らない貴方。心当たりはありませんか?
 

扁鹊の六不治⑥

信巫不信医,六不治也。
『巫を信じ医を信ぜざるは、六の不治なり』
 
医は科学です。 論理性があり、因果がはっきりしていて再現性が高いものです。 これは洋の東西を問いません。
巫は非科学です。 呪い 信心 祈祷 占い 直感 願望… たまたまうまくいくことが有っても再現性がとにかく低いです。
 
科学を否定し、非科学を信じるものは医術では治せません。
呪いを信じ、医術を否定すれば医者の出番はありません。
 
医を信じない患者と医療者が信頼関係など築けるはずもなく、無理に医療を行ってもこれまでの六不治のどれかに当てはまっていくだけです。
するとやはり、この場合も一不治の驕恣(きょうし)に関わることになります。
 

近年の日本に多いもの

似非科学を信じ、真の科学を否定する人は治せません。
似非科学療法は呪いと同じく、信じた人だけが効いたと感じるものです。 効果はほぼないので害もまず出ないはずなのですが、それによって手遅れになったり、真っ当な医療を否定し始めるとどうしようもありません。
質の悪いことに似非科学は、さも正しいと思える科学的な説明をつけているので見分けが困難なものもあります。 医師でも、政治家でも、一流企業の社長でも信じている人は信じています。 こういったものを無責任に広げるメディアや販売元の責任は重いといえます。
現代科学や医学は全てを解明しているわけではありません。わからない部分、曖昧な部分があってもそこには触れず、 辻褄の合う所だけを取り上げ、自分にとって都合の良い科学的説明で埋めてしまえば、立派な似非科学の出来上がりです。 それは普通、「仮説」といいます。 現段階で証明も実証もされていないし、行うことができない故に似非なのです。
その基本的な目的は営利。 冷静に考えれば思い当たる節が有るはずです。
 
但し、信じる力が病に勝つ原動力となる。という事実もあります。 プラセボに代表される心理的な効果が意外とバカにできません。 実際の臨床では患者の信念や信心がプラスに働くなら無理に目を覚まさせたりはしません。 しかし、害が出る場合にはとことん話し合います。
とにかく治れば良いのです。 私は人の思想や信心に無意味に干渉するような面倒くさいことはしません(笑)
 
貴方が治らないわけ⑧へつづく
 
 

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