東洋医学だろうと現代医学だろうと治療者が「治せない。」「治したくない。」「治さない。」患者というものは存在します。
理由は病の原因が不明であるとか、難しい病であるとかそのようなものではありません。 その多くは患者に「本気で治る気がない」ものです。 このことを扁鹊という医者が簡潔に語っています。 大昔に書かれたものですが現在でもその言葉には説得力があり、当たり前の内容ばかりです。
治らない貴方。心当たりはありませんか?
 

扁鹊の六不治③

衣食不能适。三不治也。
『衣食が適し能わざるは、三の不治なり』
 
着るもの、食べるものが患者の体にとって適切でない場合は治せないということですが、これは生活習慣や生活態度を改めないと言うことです。
患者さんの中には治療を一方的に受けるだけでみるみる治るのが当たり前。という幻想をお持ちの方も居られますが、それは非常に簡単な病であったり、患者が若くて生命力に溢れている場合のような時など一定の条件が重なった場合だけです。
殆どの病は治療を一方的に受けるだけでは効果がなかなか出ません。患者自身が養生し、治るために努力する必要があります。 治療者は患者に見合った養生法をお伝えするはずですが、それを守らない人は非常に治りが悪いものです。
モノ余りの現代では特に、何かを摂るものに関わる問題が大きく、タバコ、飲酒、オヤツや食事量などの悪癖を止めてほしい。という指示に従わない(従えない)人が多いようです。 逆に○○を摂ってください。という指示には比較的抵抗がないようで守っていただける方が多いように見受けられます。
しかし、治療の観点から見れば体にいいことを10個するよりも悪いことを1個やめるほうが圧倒的に効果が高いのです。 何しろその悪癖が今の貴方の病をつくっていると診断しているわけですから…。
 
治療者の意見を信頼し、実践していただけないと言う意味では、やはり一不治の驕恣(きょうし)に関わると言えます。 どんなに治療者が頑張って治したいと思っていても相手がその心を汲んでくれないと信頼関係は希薄なままとなります。
 
 

ただし!

これは私の場合ではありますが、例えば酒やタバコが好きで、「一生続けたい。」「病が完全に治らなくても酒煙が呑める状態なら太く短い人生でいい!」 と公言するような方には辞めろとは強く言いません。 患者さんの命と人生はその本人のものです。体に悪い趣味嗜好が生きがいとなっているのなら、できるだけ良い状態を維持し、充実した人生を応援するのも、治療者としての役割の一つだと考えるからです。 これが医療者として良いか悪いかは微妙ですが(笑)
そのため(私の場合)三不治に当てはまる人は、「治したいと懇願するにもかかわらず、努力をしない人」ということになります。 悪癖はそのまま。病だけ完治は無理です。 悪癖はそのまま。そして、少しでも長く悪癖を行いたい。と命をかけておっしゃる方はそう言っていただければ応援いたします。 病を治すことはできませんでしょうが、時間はかかってもマシにはなるでしょう。 ただ、後々に必ず悪化します。後悔する覚悟はしておく必要があります。
 
貴方が治らないわけ⑤へつづく
 
 

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