http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6651.php
老化は自然現象ではなく病だ!という考え方のもとに行われている研究です。
ミトコンドリア治療
ミトコンドリアは細胞内にあるエネルギーの発生機関で加齢とともに変異してエネルギーの発生効率が落ちていきます。さらに代謝不良の結果有害な物質を生産するようになり老化を促進させます。 変異してしまったミトコンドリアのDNAを破壊してしまえばこれらのメカニズムによる老化を抑えられるというのがミトコンドリア治療です。 変異型ミトコンドリアDNA(mtDNA)を破壊し、正常なミトコンドリアDNAに置き換えることを目的としています。
幹細胞治療
老化すると幹細胞の数が減ります。 しかし、この幹細胞を活性化することで新たな細胞を作り出すことができる。 老化とは細胞数の減少でもあるので幹細胞から新たな細胞を作り出し体の細胞数を増やすことができれば若返る事ができる。というのが大きな主旨です。
幹細胞の活性には体内のエネルギー代謝に欠かせない「ニコチンアミド・アデニンジヌクレオチド(NAD+)」を増やす必要があり、その前駆物質「ニコチンアミドリボシド」の投与により細胞数が増えることが確認されています。因みに「ニコチンアミドリボシド」の別名は「ナイアシン」「ビタミンb3」です。 サプリメントも出ていますが果たして効果はあるのでしょうか?
免疫強化治療
老化すると免疫の働きは低下して体にある異物を処理できなくなっていきます。その結果様々な病となるのですが、ラパマイシンという免疫抑制剤で弱った免疫を強めるという治療もあります。 本来は腎臓移植などの副作用を抑えるための薬ですが逆の免疫強化作用を発揮するというのは面白い現象です。
こういった老化に関する研究は鍼灸師としての臨床にもとても役立ちます。 西洋医学でも東洋医学でも医学の究極の目的は不老不死、無病息災ですから。 もちろん、未だ叶わない夢ではありますが病を治し健康を維持するというのは結局、同じことを行おうとしているのです。 早く実現してほしいものですね。