治った症例ばかりでは面白くありませんのでうまくいかなかったものも取り入れたいと思います。

どんな治療家も全ての患者を治してしまうなんて奇跡は起こせません。 治療が上手くいった裏には失敗もあるものです。 経験と勉強を重ね、治せる確率を上げていく。これしかありません。

過去の反省と今後の戒めのために。そして私という人間を知って頂くためにもこれまでに診てきた患者さんの症例について色々と書き連ねて行きたいと思います。 もちろん、本人の特定は出来ないような内容でお送りしますので抽象的になる部分もあると思いますが、同じような症状にお悩みの方の一助になれば嬉しく思います。


2年ほど前にお会いした80代の女性。 いきなりの腰痛で動けなくなってしまったとのことで自宅に訪問させて頂きました。症状はいわゆる腰痛。しかし、ぎっくり腰ではありません。 腰痛は鍼灸でよくある疾患なのでいつものように治療を行いましたがイマイチ効果が無いとのこと。色々と考え3度ほど治療を行いましたが一向に良くなりませんので整形外科に行って頂きました。

結果は正常。つまり整形外科では原因不明です。痛み止めをもらってきていましたがそれも効かないようでした。

その後、また3度ほど治療を行いましたが痛みの緩和は一時的で効果が出ているとは言えないものでした。

今にして思えば内科疾患を疑うべきでした。症状や年齢などを考えれば特に「脳梗塞」です。 このことに気づきさえすれば治療法は当時から持っていたのでもっと良い結果になったと思います。当時はそこまで考えが巡らずにとても申し訳なく思います。