前回は他の治療を行っていることを隠していましたが、今回は生活を隠していた場合です。
体の不調は何気ない生活の乱れからストレスを受けて起こることもあります。
こういった場合、患者さんは自分の体調不良とその出来事が関係していると気づいていない場合が多くあります。 そのためこちらが質問しても適当な返事をしたり隠したりすることがあります。
例えば、患者さんが何か大きな影響を受ける出来事が有ったことを隠してる場合があります。家族が他界した。人間関係がうまくいかない。仕事が変わった。などなど…。
こういった大きな出来事ばかりではなく、最近トイレが近い。眠れない。タバコが増えた。喧嘩した。頭が痛い。食べた物について。などなど。普段の日常的な出来事でも構いません。
もちろん言いたくなければいう必要はないですし、その場合はこちらも深くは聞きません。
しかし、問診に正確に答えてもらったほうが圧倒的に治療を行い易いのは間違いないのです。
患者が一番困っている症状(主訴と言います)だけを治療者に伝えても有効な治療をすることが出来ない場合は特に細かく聞くことになります。
聞いたとしても守秘義務があるので絶対に他言はしません。
極端な例ですが
膝が痛いとして、「膝が痛い。さあ、治せ。」とだけ言われても非常にやりにくいわけです。
病院ならレントゲンを取って確認すればいいわけですが鍼灸院ではそんなことは出来ないですから、このような人は来る場所を間違えてると言えるでしょう。
また、病院でレントゲンを取っても異常が無かった場合で原因不明となったとします。こうなると問診が上手くいかなかった場合は痛み止めをもらって自然に治るのを待つか、適当な病名と方法で当てずっぽうに治すしかありません。
しかし、丁寧に問診を行い、答えてもらえれば治療に色々な可能性が広がります。たとえ、それが主訴と全く関係がないと思えることでもです。時には問診でもっと大きな病が見つかることだってあるのです。
治療者がプライベートな事を聞くのにはそれなりの訳があります。別に興味本位で聞いてるのではありません。
これはどのような医療でも同じです。治療者と患者は、お互いに良い人間関係を築き良い結果へと導きたいものです。