子供を望んだ時、自然妊娠が望めない、可能性が低いなどとなると慌てて行う人が多いのが不妊治療。 これは結果が保証されたものではなく、あくまでも妊娠、出産の可能性を上げる治療です。
すぐに成功すれば良いですが、長い期間をかけても良い結果が出ない場合に、諦めるのも継続するのもどちらを選択しても苦しいという状況になります。
諦めるときは、これまでに掛けたお金や時間が無駄になるという苦痛。 努力しても自分は子供に恵まれないのだという絶望。 続けた場合はいつまで治療を行えばよいのかという先の見えない精神的な苦痛。継続するのに必要な時間とお金、労力の問題。 そして、刻一刻とせまる妊娠、出産の限界年齢への焦り。 治療しても一切、妊娠しなければまだ諦めも付きやすいですが、もし妊娠後に流産、死産した経験を持つ人たちは期待を持ったぶんだけその苦痛も大きいでしょう。
不妊治療は幸せな未来だけが訪れるものではなく、「はじめから手を出さない方が良かった」という人も多くいる大変な治療なのです。「子供は神様からの授かりもの」という言葉がどうしようもなくのしかかります。 科学の力。西洋医学。東洋医学。他のあらゆる民間療法。どれを選択しても最終的には神様の気分次第ということになってしまします。
それでもなんとかしたい!
そう思った時、私ならこうする。という意見を述べておきます。 初めに断っておきますが、心理的にも、技術的にも、医学的にもこの問題に正解はありません。健康な子供を妊娠出産する確率を限りなく高めるには生殖能力が盛んななるべく若いうちに子作りするという方法に勝るものはありませんから。
機能的、器質的な問題がないか?
当たり前ですが生殖器、他臓器に関わらず妊娠出産に関わる部位に重大な病変があると非常に良い結果が出しにくいのは当然のことです。特に器質的な問題。なので、もしこういった物があれば先ず治療します。 もちろん西洋医学がダントツに強いでしょう。
器質的な問題や妊娠出産に対して大きなリスクになる病変が無ければ機能の問題です。 精子や卵子の質、妊娠できる女性の体内環境(西洋医学ならホルモン系)を整えていきます。 多くの人は西洋医学を選択するでしょう。 画像や数値などで判断しやすいですから。
それでもダメなら…当然、鍼灸治療を行います。
中国医学、漢方、どちらでも構いませんが、西洋医学で説明のつかない結果を出す可能性があるからです。 男性をターゲットにした場合などは大雑把に治療できる漢方薬も良いでしょうが、日々変わる女性の体に対し、細かく対応するには鍼灸のほうが適しています。 何より漢方薬も所詮は薬。母体に余計な薬物が残った状態で妊娠させるのは胎児のためにもあまり良いとは思えません。
もちろん、妊娠しない場合にはしない理由がちゃんとあります。 西洋医学には西洋医学。 東洋医学には東洋医学の理論があり、私の知る限りではどちらの条件もクリアしないと妊娠しないと考えています。
東洋医学で不妊治療した場合、最悪、子宝に恵まれなくても自身が健康になるというオマケが付きます。 西洋医学とは違い、掛けた労力が全て無駄にならないというのは多少の慰めになるかもしれません。
不妊治療は行うならなるべく早く。 時には諦めることも重要。 本当に厄介な問題です。