ここで少し西洋医学を離れて東洋医学的な話をしましょう。

今の日本で一般的に東洋医学と言えば中国医学を指すことが多いですが、これは言葉通り中国で発展して日本に渡った医学です。 すると中国医学をそのまま使ったのでは日本人に合わないことも出てきます。 近い国と言えど日本と中国とは気候も風土も気質も立地もあらゆるものが違っている訳で、中国から伝わったものをそのまま日本で使っていては実生活や治療において不都合も出てきてしまいます。

一例として有名なところでは五行の季節を表すものの一つに「長夏」と言うものがあります。五行のに配当されるこの季節は中国の雨季にあたり、木火金水の順で考えた時に春 夏 長夏 秋 冬となっています。 日本の雨季はいわゆる梅雨であり、夏の前に起こります。すると木火金水ではなく木火金水となってしまいます。 さらに、秋雨の時期も雨季と捉えるなら木金水となってしまいなんのことやらわかりません(笑)

五行論は絶対に木火土金水でないとダメです。そうしないと理論が破綻してしまい。全く使い物になりません。

と、このように日本に入ってきた以上、本来は日本用にアレンジして使う必要があるのですが、もともと自然の摂理から産まれた理論にも関わらず、単なる思い込みや理屈を盲信して実際の環境、自然に逆らった運用をしている場合が多々あります。

 

これまでの記事でお話してきたとおり季節、気温や湿度は生き物の健康に大きな影響を与える要因です。しかし理論優先ではありません。 現実に起こる環境の変化とそれに対する体の反応が大切なのです。 夏だから頭痛がしたら熱中症に絶対なってるわけでなく、冬に悪寒発熱しても絶対に風邪とは限りません。 西洋医学でも東洋医学で考えても同じなのですが、多くの人はすぐに季節などの一定の条件と症状を直感的に結びつけ判断し思い込みます。こういった短絡的な判断は極めて非科学的で、例え同じ結論に至ってもそこに至るまでの考察の内容が本業の医者と素人との絶対的な差でもあります。 特に直感的な判断を行うことが多い東洋医学が理論を優先する西洋医学に受け入れられない一つの大きな要因になっているといえます。 

健康の増進、維持を行うにはあらゆる環境に合わせて柔軟な対応を取ることがとても大切です。思い込みに囚われて思考停止したり、特定の理論に拘ったり、欲に執着したりと、心や体がなにかに意固地になっていては病のもとを作るだけです。環境に合わせて自分をどんどん変える。これも健康のコツです。

 

つづく…

 

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