人が生活する環境は概ね20度±5度程度。湿度は50%±10%が人間にとっての適温であると言えます。 これから外れた環境は人の体に大きな負荷を与えるということになります。
寒すぎる場合
人にとっては非常に生活しにくい環境と言えます。食料の確保が難しく、食料が足りないということは自身の体力がつかないということにもなります。 体温を一定に維持する恒温動物である人間は寒い環境においてはエネルギーを沢山消費して体温を上げるように働きます。それと同時に脂肪を蓄えて冷たい気温で体が冷やされすぎないようにします。体温が一定以下になると死ですから、死から遠ざかるように体は気温に順応していきます。
日本においては冬がこういった時期となります。 一年のうちで最も基礎代謝が高まり、寒さを避けるために肉厚になろうとする時期です。当然、服も温かいものを着込み、暖を取ります。 これはこの時期に寒さによる病にかからないようにするための知恵です。 日本での冬の病気の代表と言えばインフルエンザでしょうか。現代に生きていると冬にインフルエンザにかかってもさほど大したことないように思うかもしれませんが、それは現代日本人の栄養状態が良好であり、体力の予備があるからです。 昔、特に冬の時期に食料が不足する時代には病に対する抵抗力、即ち体力が足りずに体温の産生や脂肪の生成にエネルギーを使えなくなれば寒さに体は蝕まれて病となり死にました。 現代でも高齢者や子供など体力に余力がない人は強い人に比べて寒い環境での感染、死亡率が高いものです。 そのために寒い時期はとにかく体から無駄なエネルギーが逃げないようにすることが大切であるとされます。
体内にあるエネルギーをどれだけ自身の体温維持に使えるか? 熱の放散を最小限度に抑えるか?これが寒い時期に行われる健康になるための方法になります。熊などが行う越冬のための冬眠はその究極の手段といえるのです。
有名なインフルエンザのパンデミックはスペイン風邪でしょう。 世界中に蔓延し当時の人口の約3割である約5億人が感染。死者は5,000万人~1億人という大変な人数が犠牲になりました。 しかし、逆に言えば約7割は感染しなかったのです。これは例えインフルエンザウイルスに暴露しても十分な体力、免疫力のある強い人は病にならないという事です。 冬にどれだけエネルギーを体に蓄えて体力をつけて挑めるか?が基本的な健康になるための対策なのです。