治療をしてても治らないのは医者のせいばかりとは限りません。 あなたは本当に治したいのですか?

 

当然、治したい!!と誰もが言うでしょう。

しかし、医者の立場から見るとその言葉の本気具合というものを感じずにはいられません。口先だけで治りたいとどれだけ言っていてもその患者さんの生活態度や治療への努力がなくては治るものも治りません。

これまでに医療に一番必要なのは医者と患者の信頼関係だと何度も書きました。 これは医者は患者の言葉に耳を傾け、患者は医師の忠告を受け入れるという図式で成り立ちます。治療を行っても治らない人は医術の効果だけでは治癒するに足りないという事です。 このようなある程度複雑な病、長期間患っている病を治した人は全て間違いなく、医者との信頼関係を持ちその治療に努力した人であると言えます。

 

患者が医者の忠告に従わない場合、いくつかの傾向があります。

◯自分の病は医術、医者にかかると簡単に治ると信じている。 病気をナメている。

これは病に対する知識不足から自分の病は簡単に治るもので病が治らないのは医者の技量不足だと信じているということです。この世にあるほとんど全ての病は皆さんが思っているほど簡単に治ったりはしません。一時的に良くなるだけです。 簡単に治る病ならそもそも医者にかかる必要はありません。 しかし、本人は簡単に治ると強く思い込んでいるので、数度の治療で回復しないとイライラします。医者が悪いのだと信じ忠告を聞かず、病院などを渡り歩き偶然治った(寛解した)時に当たった医者が名医だと思いこみます。

一体、なんの根拠が有って簡単に治ると思っているのでしょう? 殆どが根拠もなく漫然と思っている方が多いです。要するに病気を甘く見て今の自分の体力や気力を過信しているに過ぎません。 ある意味、宗教と同じですね。 自分の健康過信教です(笑)

◯医者が嫌い。信用する気が無い。

医者との性格の不一致、医者の方針や傲慢な態度など様々な要因によりどうしても信頼関係を築けないこともあります。 東洋医学に限って言えば、西洋医学的な考えから抜け出せない患者さんは医者の言っていることに反感を覚え初めから効くはずがないと思っている方も居られます。これはどうしようもない部分があります。 納得の行く方法、気の合う医者に巡り合うまで彷徨うしかないかもしれません。

 

治したいと治してもらいたいは全く違います!

治したいのなら医者の忠告を聞き、ご自身も努力してください。

治してもらいたいと思っている方は治る可能性がかなり低くなることを覚悟してください。

医者に限らず他人には貴方の病を治すことはできません。病を治すのはご自身の体以外はありえないからです。 医学とは病気そのものと体が治そうとする働きを解明し、いかに早く病を脱するかを研究、実践する学問です。 

つまり、医者というものは…

一般の人より病の効率良い治し方を知っているだけ。 そしてその方法を行使することができるだけのタダの人です。 神ではないので病そのものを治すことはできません。

医者にかかってその場で症状がとれた!一度で治った!と思っても治したのはご自身の体であって医者は手助けをしただけです。 このことに気づかないと本当に健康になることは永遠に不可能でしょう。

 

つづく…

 

※ここで出てくる医者とは医師限定ではありません。西洋、東洋、手技などを問わず医に関わる全ての人達です。