ドクターショッピングのメリット、デメリットを患者目線でもう少し掘り下げてみましょう。

 

普通、患者さんの持つ最大の要望はなんと言っても病からの回復です。この目的を達成するために自分の納得する治療を追い求めて様々な医者を尋ねるわけです。

しかし、ドクターショッピングそのものが治療の可能性を下げるということもあります。

どういうことでしょうか?

病気というものはその原因も治療法もはっきりと解明されているものが非常に少ないという事実をご存知でしょうか? 現代医学が克服したのは抗生剤の発見によって効果が出る感染症の一部だけです。抗生剤が効かない病原体について現代医学はほぼ無力であり、体の中から発生する病に対しては仮説研究段階というのが現実です。 現代医学では風邪が治せない、腰痛が治せないなどと言われるのはこのためです。

このような状況で医者ができることは患者の苦しみを取ること。対処療法のみとなります。痛みがあれば痛み止め。熱が出れば解熱剤。特定のホルモンが足りなければホルモン剤…。こうやって症状を抑えて時間を稼ぎ、そのうち自然に治るだろうというのが現代医学です。 時間稼ぎをしても自己治癒しない病の場合は、寿命の間に致命的な症状が出なければ良いと言う考えのもとに一生薬を飲み続けるという決断に迫られます。高血圧や糖尿病、癌などがまさにこれに当てはまります。

意欲的な医者になると症状を抑えている間にその原因を考え、探し出して治療するという事を行いますが、基本的にそのような手間をかける医者は保険医にはいません。それは保険のシステムや存在意義を考えるとわかりますがこの話はまた別の機会に…。

さて、医者を変えてまわる人は100%この対処療法を行っても治らない人です。

すると、どのような医術であっても出てきている症状を狙っている限り無駄で病気の本体。原因を突き止め治療しないと絶対に治ることはありません。

しかし、先述のとおり現代医学ではその原因は解っていない。すると、医者の診断、治療結果から考察し効果が出ると思われる治療を試すという作業が必要になります。 こうなると治療期間は絶対に長期にならざるを得ず、結果を出すには患者と医者との長い付き合いが必要です。

ドクターショッピングを行う人はこの作業が不可能です。よって、治る可能性は非常に低いと言わざると得ません。これがドクターショッピングを行う最も大きなデメリットです。

試行錯誤するわけなので、すぐに結果が出るとは思わないことです。健康になるためのHOW TO ①に出てきた医者と患者の信頼関係が大切というのはこういった状況の場合に大きな影響を及ぼします。

 

※ここで出てくる医者とは医師限定ではありません。西洋、東洋、手技などを問わず医に関わる全ての人達です。

 

つづく…