フレイルとサルコペニアは両方とも主に老化に伴う筋力の低下を主とした症状で、日本老年医学会が2014年に提唱したものです。
サルコペニア
フレイルの前段階で筋力が衰えていく状態。 転倒、骨折などのリスクが高まります。 サルコペニアを経て生活機能が全般に衰える「フレイル」となり要介護状態となります。
老化に伴う運動不足、代謝の低下、病の発生などにより誰だって筋肉量、動作速度は低下していきますが、一定量の低下は生理的なもので受け入れるべきものです。 大きな問題になるのは「サルコペニア肥満」というサルコペニアに加えて肥満を発症することです。 この状態になることで抑うつ、糖尿病、血管性疾患、脂質代謝異常などのリスクがサルコペニア単体の時よりも高まります。 早ければ40代で発症するため注意が必要です。
フレイル
健常な状態と要介護状態の中間的な状態として定義されているもので肉体、精神、環境の要素の何れか、または複数の要因によってなりえます。
①サルコペニアなどにより肉体機能が落ちていくと日常生活に影響が出始める。 体力、筋力の低下は肉体的、精神的な要因、環境的な要因の解決をより難しくする。
②鬱や認知症の発生により、社会生活への関わりが上手くできなくなり、肉体活動をも低下していく。
③社会的な環境。 引きこもりや孤独、貧困などを要因として社会との関わりを失っていく。
加齢に伴う衰えを出来る限り予防し、健康寿命を伸ばすためには以上の3つの改善が必要だと言われます。
予防と改善
必要となるのは食事、運動、社会参加です。
食事に関してはバランス良くというのが基本ですが、筋肉の材料としての蛋白質の摂取が勧められています。
運動は年齢的な衰え、個人差に合わせて行うべきです。 ウオーキングが最もオススメと言われますが筋力の維持には毎日5~6000歩程は歩くべきです。 この運動が実行不可能な状態になる前に改善策を講じることが最も重要です。
社会参加を行うと自然に体を動かす機会が増え、他の人と食事をするなどの他人との関わりを持つことになるため予防や改善に有効だと言われます。 生きがいを持つことにも繋がるので精神的な健康にも繋がります。
サルコペニアとフレイルの予防、改善は老化に逆らって行う日常的な努力となります。 これは言葉を変えればアンチエイジングであり、若返りでもあります。 当然、早い時期から取り組んだほうが効果が出やすいのは当然と言えます。