グレリンは主に胃で分泌されるホルモン
主な働きは食欲の増加。
成長ホルモンの分泌促進。
つまり、お腹を減らして食べさせ、自分自身の血肉とするためのホルモン。
悪液質とは
通常の栄養サポートでは完全に回復することが困難で、進行性の機能障害をもたらし、著しい骨組織の減少を特徴とする複合的な代謝機能障害。
有り体に言えば、食べられず、痩せていき、骨、筋肉が痩せて(サルコペニア)動けなくなるもの。そしてこれらが進行していくもの。 全身炎症状態。
そもそも食べれれないのだが、点滴などで栄養を与えても容易には回復しない。 栄養を取り込み吸収、同化する力が失われ、生命維持のために異化がどんどん進む。 死へのカウントダウンである。
グレリン投与で回復の可能性
悪液質になるとグレリンの作用は低下し、食欲不振となり、仮に食べても血肉とならない。 しかし、外因グレリン(グレリン作動性薬anamorelin)の投与によって回復の可能性があるという。 もし食欲が戻り、同化作用が回復すればカウントダウンを止めることができる。
一般的に人が衰弱し死ぬときには食事ができなくなる。 ガン悪液質などの消耗性疾患はその状態が老化ではなく病気によって起こされる。 この時に過度な点滴をうてば、体は浮腫み、痰は増え、非常に苦しい思いをするハメになる。
なので我々鍼灸師も悪液質の治療では食事を取れるようにすることに大きな注意を払って治療を組み立てる。
この薬が実用化すれば、生物は自分の口から食べられなくなると終わり。という常識が変わるのかもしれない。