貴方のQOL (クオリティ・オブ・ライフ)

「quality of life」 とは生活、人生の質のことです。 高齢化が進む日本において近年、浸透してきているもので自分の人生においてどれだけ生活の質を高められるか? どれだけ満足できているか?といった尺度になります。 個人の感想、感覚的なものなので尺度と言っても数値化されるものでなく漠然としていて、使われ方もQOLが高い、低い、上がった、下がった。などと言った具合です。

QOLは健康状態だけでなく、権利、自由、仕事、生活の環境、対人関係、教育など様々なもので総合的に自分自身で判断するものですが、例外的に病や加齢により健康を害した方々の介護、看護では「患者さんのQOL」といった使い方をします。この場合は主に健康状態や自立活動のできる度合いなどを指していると言えます。他人が人のQOLを測っているというちょっと特別な使い方です。

このように、QOLは生活の充実度、満足度と言ったものなのですが、その基盤となっているのが健康であることは言うまでもない事です。 介護、医療で他人のQOLを判断するというのも健康状態が悪ければその人は今現在の幸せ満足度は低いだろうという解釈が行われるからです。

特に医療では昔からQOLに関する問題は多く存在していました。 医学は病を見て病を治すことを目的にしている学問です。そこに患者さんの人生は関わりません。それに対し医療は患者を人そのものとして診るものです。 様々な治療の結果、例え病は治せずとも人は癒やすという人間味あふれたものでしたが、だんだんと医療も医学化してきたことで病は治せても命がなくなるという本末転倒な事態が起こるようになりました。 そのため、医療でも患者のQOLを護るための配慮が必要になってきて、どれほどの医療行為を患者に行うか?という新たな問題が起こるようになりました。

どのような病でも治療をするというのはその患者の体力を使う必要があります。普通、元気な人ほど治療の際に必要な体力など多くの場合に気にすることがないのですが、高齢の方や長く患っている人などは些細な治療につかう体力の低下も命にかかわる場合があります。 たとえ命が無くなるというところまで行かなくても今までできていた事ができなくなる(立てなくなる。意識がハッキリしないなど)ということは頻繁に起こります。 医学的に治る可能性があるからといって実際に行えるかどうか、行うべきかどうかというのは全くの別問題なのです。 

特に西洋医学で行う検査や手術をしたり、投薬したりという一般的な治療でもその効果と引き換えに大きな体力の消耗を起こします。 例え、若い人でも術後や検査後の体力の消耗を実感したことがあるかもしれません。 一時的に体力が落ちたり、術後に力が出なくなったり、痛みが続いたり。 さまざまな症状が後遺症として起こります。 こういったことが起こると例え病気が治ったとしても結果としてQOLが低下したと言えるかもしれません。 さらに体にとってインパクトの強い治療。例えば抗がん剤やホルモン剤、向精神薬などはその影響も大きくなりますが体力に余裕がある元気なうちは気づかないことも多いのです。確実に体力は削ぎ取られているのですが、回復力が強いうちはすぐには分かりません。しかし、こういった投薬を長期にわたり行うと必ずいずれ気づくことになりますが、そのときには随分と体力は低下しているでしょう。 体力が落ちるということはその後のさまざまな治療や人生に不都合な効果が出るということです。

東洋医学ではこの生命力を「元気」や「神気」などといってとても大切に考えています。 多くの場合、なるべく元気を残して病を治そうとしますから「東洋医学は体に優しい」などと言われるのかもしれません。 しかし、それはある意味では正しく、ある意味では誤りです。 確かに東洋医学は西洋医学に比べて元気に気を使ってはいますがココぞというときにはかなり強い治療も使います。 その場合は当然、体力の消耗も激しく後遺症だって起こりえます。 普通はできるだけこのような強い治療を行う必要がないように、患者本人の元気を残して高めるようにと考えられて治療が進みますがあくまでもケース・バイ・ケースです。

このように洋の東西に関わらず、どのような医療を受けても必ず体力、元気の消耗は起こります。 そしてこの体力や元気は目に見えるものではなく、数値化することもできず、一定量ある内はその消耗に気づくことは難しい。 しかし、気付いた時にはかなり減少しているものです。 年令を重ねるほどその元気は自然に低下し、回復も遅いので一度失った元気を取り戻すのには若い頃よりもより多くの時間と本人の努力が必要になります。結果として自身の健康寿命は短くなりQOLも低下していき望まない形で人生の最後を迎えるということにもなりかねません。

QOLの維持は「未病治」や「養生」「治療の方針」「患者の自由、人権」という概念をそれぞれ含んでいてそれらを気遣いうことであるといえます。 貴方や貴方の家族の健康寿命を長くして最後まで幸せでいるためには覚えておいて損はないでしょう^^

 

 

 

 

 

 

 

 

松山鍼灸院 漢方鍼灸個別治療室 仁塾