予防医学(preventive medicine)

病気にかからないようにするための予防の医学である。つまり、疾病の発生・経過・分布・消長とそれに影響をおよぼす原因を研究し、疾病の予防を行うことや、病気になりにくい心身の健康増進を図るための学問で、狭義には、「病気になってしまってからそれを治すことより、病気になりにくい心身を作る。病気を予防し、健康を維持する」という考え方に基づいている医学といえる。人間ドックや健康診断も予防医学の一つ。また、アーユルヴェーダなどの伝統医学も予防医学的な考え方を持っている。

 

第一次予防

疾病の予防。健康への啓発、健康増進、特殊予防(教育、予防接種など)。

第二次予防

重症化の防止。疾病の早期発見と早期措置、適切な医療と合併症対策(健康診断など)。

第三次予防

疾病の再発防止。リハビリテーションなど。

以上、Wikipedia

 

医学、特に西洋医学は病になった者を治す方法を模索することに重きをおいてきました。 しかし、ある程度の治療法が確立しつつある現代においては、予防することが最も重要だという考えに移りつつあります。

これは、個人レベルで病気が苦痛だということ以外にも、国の財政の問題。膨らみ続ける医療費を抑えるために必要なことなのです。 国民皆保険制度を採用している日本では病人が増えることがイコール国の財政圧迫に直結しますから、日本国としては、皆なるべく病気にならないでピンピンコロリと人生を全うしてほしいのです。

これは恐らく誰でも同じでしょう。 病に苦しんで生き、治療に苦しんで逝くよりも、元気に老いて苦しまずにぽっくりと逝くほうが望ましいはずです。

しかし、病人を診て、病気に対してその治療法の研究に多くの時間を割いてきた西洋医学は予防に対して有効な手段をあまり持ちません。 最大の功績がワクチンの開発でしょう、他には駆虫や除菌などありますが、その他は例え西洋医学的な説明がされていても、食事に気をつけましょう、運動しましょうなどといった生活習慣を見直すものばかりです。

ちなみに、国が推奨している健康診断などでの定期的検査で病を早期発見しようという動きが活発ですが、これは厳密には予防にはなりえません。 第二次予防に分類されているようにこの段階では既に病となっていますから。「軽症なうちに治してください。そのほうが治りが良くて(国にとっても)安上がりです。」ということです。

 

第一次予防が一番大切

第二次予防では既に発病しています。 早期発見は治療するに於いてとても大切なことですが、これはもう重症化の予防という治療であって発症の予防ではありません。

検査技術が発展している現代は自然治癒する病を見つけて治療を行ったり、実際には病ではないのに調べすぎた結果、病と疑い、見間違いをしたりといった過剰検査が問題となっています。 現代科学の治療や精密検査は体に大きな負担をかけるものも多く、検査するが故に病気になり、些細な病気を見つけては不要な治療をするという患者の利益を無視した、医師が儲けるためだけのシステムとなっている一面もあります。

お金の面を考えても、二次予防は最先端の検査機器や高い技術を持った医師の人件費などがかかります。 このような高度な検査が可能であるのは、現代に生きる我々の特権なので科学の恩恵を必要な場合には十分に受けたいものですが、その取扱には気を使わないと、無用な検査を繰り返し、体力と金銭を使い、病気を疑われて本来必要のない治療に進む。という、心無い医師の食い物にされる可能性もあるのです。

このような不都合な可能性が否定できない上に、そもそも既に発病してしまっていては予防医学としては意味がありません。 そこで一次予防が最も大切だということになります。

 

一次予防は費用が格段に安い。リスクも低い。

健康への啓発、健康増進、特殊予防(教育、予防接種など)で疾病の予防しようとするものです。  この段階では病気になっていないので基本的には、健康保険は使用できません。なので国は大いに一次予防を啓発しています。 費用は全て個人の実費なわけですが、それにしても大したお金はかかりません。 最新機器を使用した検査などは一人ひとりに行う必要がありますが、一次予防では同時に多人数を教育、指導できます。 高度な機械も高い薬剤も必要がありません。 殆どが知識と知恵と工夫で健康を維持しようという取り組みですから。

巷に溢れる健康情報を鵜呑みにして、あらゆる健康活動を行う人は別として、正しい知識を学習した人にとって一次予防でおこるリスクは非常に低いものです。

さて、ここで勘違いしている方が多いのですが、

健康の維持を目標にしている以上、薬を使用した時のように目に見えて効果が出てくるものはほぼありません。 一次予防の体に対する作用は非常に弱いものですから。 一次予防における最大の効果は健康の維持。すなわち変わらないことが最大の効果であり目的なのです。 仮に大いに効果を実感する一次予防を行った場合に考えられることは、 副作用が起こるか、あなたがもともと不健康だったかということであり、病気ではないが不健康な状態が改善したと言うことです。 基本的にもともと健康な人が予防を行っても何も目に見えた効果は現れません。

健康で長生きという目的を達成するのに最も大切なことは「健康状態を維持して変わらない」ということです。 どんどん快調になっていくのを夢見ているようではいずれ間違いなく副作用によって体を壊します。

 

もう一歩進んだ一次予防

あなたが完全健康体であるという確証はどこにもありません。 寧ろ、恐らくあなたは半病人。 健康ではなく、病気でもない状態でしょう。

そこで、この状態の場合に適切な予防、健康増進を行えば、より健康へ、より快調な体へと変化していきます。 個人が能動的に行う一次予防というわけです。

ここで重要なのは「適切な」という所です。

あなたはテレビの健康情報や自分の思い込みで健康増進の努力を行っていませんか? 世の中に無数にある健康情報の中で、なぜその行為を取り入れたのですか? きっと、あなたにある症状と耳に入った健康情報を単純に結びつけて行っているのでは無いでしょうか? もしくは実践がお手軽だったのでしょうか?

テレビなどは多くの人の共感を得ることが目的なので誰にでも当てはまる話題を用いるのが基本です。 実際は同じ症状、同じ病名でもその原因は一つではなく、人によって違うこともあるために単純に症状と得た情報を結びつけても貴方にとって適切であるとは限りません。

一次予防の体に対する作用は少ないので副作用も非常に起こりにくく、仮に間違った予防を行っていても直ちに不調には陥りませんが、長く続けると何らかの問題が生じます。 そこで多くの人は思うのです。「こんなに健康に気を使っているのになぜ病気になってしまったのだろう?」と。

「適切な予防」とは決まった「何か」ではありません。

貴方は日々、老いていて、今日の貴方は昨日の貴方とは異なるのです。 同じ予防法がいつまでも通用すると考える方がおかしいのです。

 

東洋医学は治療でありながら予防もする実践的予防医学

東洋医学、特に鍼灸はその日、その場の体の状態にあわせて適切な処置を行うことのできる医学です。

病人には治療を。

半病人には予防を。

健康人には健康増進を。

その人ごとに、その体調ごとに刺激の種類や強さを調節できるのが最大の特徴であり、これは年齢によっても違います。 性別によっても違います。 ライフステージ、ライフスタイルによっても違います。 日毎に変化する体に適切と思える予防は一言では言い表せないのです。

病気の予防に使える医学は西洋医学には外感病に対する予防接種や寄生虫対策、ピロリ菌などの除菌くらいのもので体の中から起こる生活習慣病などへの効果的な対策はありません。 しかし、鍼灸には日頃からそれらに対して能動的に行える予防医学があります。

予防の延長に治療がある鍼灸は病気の原因を問わず、予防しながら治療もできる方法であり、病む前に治す。 病まさないように予め処置する「未病治」が最高の治療であると結論付けられています。 古い教えなのですが、現代の一次予防推進運動とその意図するところは全く同じです。

外感病以外の実践的な予防医学は今の西洋医学にははぼありません。 健康的な未来を計画的に掴もうとするならば、現代人も東洋医学を使うべきなのです。

 

 

 

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