ドクターショッピングはどんなものか?どうすればよいのか?
健康になるためのHOW TO③からの続きです。
ドクターショッピングは診断、治療に納得がいかない場合に様々な医者を渡り歩くことです。
世間一般では健康保険を使って医療にかかることが殆どですから、社会通念として無駄な医療費を大量にかけることになるドクターショッピングは悪だと位置づけられることが多いです。
自由診療で患者自身が10割負担するならば、何件医療施設を回ろうと自由ですが、保険からお金がでている以上、国や保険者はなんとしても食い止めたいと思うはずです。
ここには患者、保険者、医者、それぞれの思惑があります。
患者
自分の体調不良に対する診断や治療に不満があるわけなので当然、より良い医者に巡りあうために努力します。そのため、ドクターショッピングは極めて自然な行為であって一概に責めることのできないものです。
保険者
少しでも保険金の支払いを減らしたいのが本音です。国民健康保険であれば、ほぼ税金と同様のシステムで運営されていますから、ドクターショッピングを行うと日本国民全てに対しての不平等が起き、他の保険であっても一部の人が無制限、不必要に大金を使ってしまう事になるといずれは破綻です。
また、保険者から見て、診断、治療を行う医者はどこであっても同じです。 医者の腕や知識などは全く勘案されません。 つまり、どこに行っても同じだ!一箇所行けば十分!という事務的な考えがあります。
現実に保険のシステムを維持するためには仕方のない事です。
医者
経営と本音の二面性があるでしょう。
経営面であれば新たな客が流れてくる面では喜ばれ、自身のところから流出することは誰だって避けたいことです。なので患者引き止めや新規の患者を取り込むための戦略が練られます。 例えば、画像検査などでは基本的に行えば行うほど病気の発見率は上がります。(PET-CTでも病巣の発見率は30%ほどと言われます。) 医師の勉強具合によっても思い当たる病気は変わるでしょう。 これらを売りにして、自分の病院は最新検査機器があるとか、自分のところの医師は◯◯大学卒業とかと宣伝して患者を取り込もうとするのです。
本音で言えば、「保険を使った治療であればどこでも同じだよ。」と言いたいことでしょう。 保険を使うとなると西洋医である医師が殆どとなりますが、これらは学会が決めた病気を使って分別し診断しているだけなのでどこの医療施設でもどの医師が診ても基本的には同じ診断が下ります。 なのでどこに何件巡ろうとほぼ無意味です。 しかし、先に書いたように、画像検査は行えば行うほど映る確率は高まりますから、他の病院でたまたま画像に病巣が写った場合はちゃんと病気が見つかると言うこともあります。
実費治療であれば少々話も変わってきます。殆どの医者が、保険医療と同じ考えで行うことが多いものの、一部の医者は独創的で、柔軟な考えのもとに診断、治療を行います。その結果、単なる保健医療とは違った良い結果を生むことがあります。
ただし当然、その多くは現代では保険使用未承認であり、非科学的(エビデンスが確立していない)と言われるものです。その為、患者と医者の信頼関係の元に患者自身の責任で判断し決定する必要があります。
しかし、現実に実費治療で患者が救われているのならば、実費治療にもその存在意義はあるでしょう。
もし、ご自身の主治医が行う保健医療に不満がありドクターショッピングを行うならば、次は初めから実費治療に行くほうが確率的にはお金も時間もかからないということです。
※ここで出てくる医者とは医師限定ではありません。西洋、東洋、手技などを問わず医に関わる全ての人達です。