モダンカンポウは帝京大学発の漢方の新しい使い方?らしいです。

日本の漢方は、大きく分けて「フローチャート」「和漢」「中医学」と3つがあると同氏は私見としつつ示した。「フローチャート」では西洋医学的に症状から漢方薬を決める。「和漢」では症状、腹診、舌診などから漢方薬を決める。「中医学」では症状、望診、聞診などの四診の次に証候名を決め、さらに治法を決め、方剤の決定にいたるというおのおの異なるプロセスだと説明した。

というあくまでも推進者の方の私見だそうです。

その中でフローチャート式を採用し、ツムラやクラシエなどのエキス剤を利用するものをモダンカンポウとして普及させようとしているとか…。

 

本来、漢方には現代医学とは異なる独自の治療体系があり、西洋医学とは全く違った智識や概念を必要とされるために、実用するには膨大な勉強を行う必要があります。 しかし、現代の医師は西洋医学しか勉強していないために本当の意味で漢方を使うことができません。

しかし、しかし、日本の法律では基本的に医師以外に健康保険を使った医行為を認めていないから、漢方で保険を使うなら医師しか使えない仕組みとなっています。

現代の医師は漢方を知らないし、本格的な勉強もしない。 しかし、時代の流れ?として漢方薬を使いたいとの要望がある。 だから深い知識の必要がないフローチャート式で使う薬を決めましょう。 となる訳です。

 

モダンカンポウの功罪

年齢、性差、症状などから予め決められたフローチャートを辿って使用する漢方薬を決めようとする方法で、使ってみて害が出たり、効かなければ止めて、違うものに変えたりするもののようです。 後半部は当たり前のことですね。

さて、漢方薬を使いたい医師と使用を望む患者がいるのなら、どのような使い方をしようが単純なビジネスとしては問題が無いでしょう。ただ、実際に臨床で患者に使うとなると、それなりに問題点はありそうです。

 

漢方薬は薬です。 現代では西洋薬以外で唯一、日本で保険適用されているもので国も認めている効果がある「薬」なのです。 それを漢方をよく分かってない医師が、(漢方的に)よく分かってない患者に使うのですから、当然、その結果も「よくわからない」はずです。 基本的に病気しか診ない医師では漢方薬の使用によって体に現れる変化を見逃すおそれが高く、場合によってはかなり危険です。 危険になってから(病気になってから)診るというのでは、たとえ漢方薬を使っても西洋医学と殆ど同じです。 寧ろ、この場合は、よく分かってないものを使わなければ回避できる病であった可能性が高いでしょう。

 

モダンカンポウのメリットは次のようなものがあるそうです。

『患者が喜ぶ』

…? 意味が分かりません。 漢方薬を飲むのを患者が喜ぶと本当に思っているのでしょうか? 一部の人を除けば、薬など飲まないで済むなら飲みたくないに決まってるでしょう。 西洋薬を漢方に置き換えることで患者が喜ぶのはただ、西洋薬に悪いイメージ。漢方に良いイメージを持っている方がそうあるだけです。 そんなイメージを払拭して本当に必要な薬を処方するのが医師の仕事だと思うのですが。

『外来が楽しい』

これも意味不明です。

病院に行って診断、投薬されることが楽しい患者はごく一部です。 それとも医師が楽しんでいるのでしょうか? それはそれで不愉快ですし、怖いことです。

『患者が離れない』

完全に医師の都合です。 経営的にプラスになるからと、よくわからない薬を使うなど、絶対にあってはならないことです。

『医療費の削減になる』

医療費削減は西洋薬に比べて、漢方薬に使われる材料と作成する料金が安いせいです。 長い年月と莫大な費用をかけて病気ごとに必要な薬が作られる新薬と違い、漢方薬は今あるものを如何に使うか?という、応用によって効果を出そうとするものなので研究開発費がかかりません。  だからこそ使い方が難しいのです。 また、安いからと言って不要な量や種類を処方し始めれば、これまた医療費の無駄です。 やはり医師にはちゃんと勉強してもらわないと。

『リスク管理になる』

西洋薬の副作用を抑えたり作用を補助したりと上手く使えばメリットがあります。 また、西洋薬を一部、漢方薬に置き換えることで患者の体や金銭的な負担を軽減しようとすることもできます。 あくまでも上手く使えばです。

 

私見

漢方が普及すること自体は非常に喜ばしいことです。 しかし、西洋的にでも東洋的にでもいいですから使用する医師にはそれなりの漢方の勉強をしてもらいたいもので、患者を使って実験するような真似はとても容認できません。

フローチャートでの処方は簡便な代わりに実際の臨床に使うには穴が多すぎる可能性が高いでしょう。 それこそ、何百通りもつくったフローチャートから使用薬を導き出すような作りにしないと、数種類、数十種類ていどではハズレが多すぎます。 こうなると人の手では時間と労力がかかりすぎるのでPCでも使うべきで、診断すらも勉強していない医師によるものよりAIでも使ったほうが確実です。

このプログラムを誰が作るかは問題ですが(笑)

また、逆にフローチャートの分岐を最低限にして、ピンポイントでの効果を無視して大きく効かせる薬のみ使う方法もあります。 どうせ漢方薬は西洋薬の補助としてしか使わないと割り切る医師ならこの方が、害が少ないでしょう。 当然、効果も少ないですが、治療のメインは西洋薬なので問題がないはずです。

 

因みに漢方には漢方薬だけでなく鍼灸などの物理療法も存在します。 漢方薬と鍼灸は伝統医学の両翼でお互いに補完しあっていましたから、投薬のみでは効果が不足する。何らかの問題が有るとなれば、いずれは医師が鍼灸を行う時代が来るのかもしれません。 一応、ものの本には「薬より先に鍼灸を使うべき」とはなっています(笑) 昔の人も投薬の害。強すぎる効果や副作用を恐れていたのでしょうね。

 

鍼灸アピールはこの程度にしておいて… 何にしても伝統医学である漢方が見直されつつあるのは喜ばしいことです。国の財政も、医師の経営も、患者の健康も上手く使えばすべてにメリットがある可能性が高い漢方。 今後が楽しみです。

 

 

 

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